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『NHK想い出倶楽部』その1

最近ますますレトロじいさんになってきた上に、DVDじゃなくてもVHSでもいいやとにかく安けりゃって癖も強くなってきた。ってことで急激に見たくなった『NHK想い出倶楽部〜昭和30年代の番組より』のバラエティー部門のVHS3本を入手し立て続けに見た。

↑左から2『私の秘密』・5『お笑い三人組』・4『夢であいましょう』。全部パケ裏だが小さくて判りにくいので其々拡大を↓。

まず『私の秘密』は3回分収録で、昭33年の高橋圭三司会、昭39年の八木治郎司会、昭42年最終回の長谷川肇司会。↑上の写真の左端が長谷川肇。この人の頃はもうあまり見ていなかったのかよく憶えておらず、逆に高橋圭三は古すぎて見られずで、記憶にあるのは八木治郎バージョンのみ。レギュラー解答者では塩月弥栄子藤浦洸はよく憶えてるが渡辺紳一郎はなぜか記憶にない。秘密自体はたわいないのが多かったようだが、解答慣れしてきたレギュラー陣が勘のよさを発揮していくところが妙に面白かった。当然生放送なのでハプニングも多く、しかも今のように司会がそれに突っ込んでスベリ笑いに変えるといったこともないのが今見るとなんとも奇妙だが、当時はそれでも違和感なく見ていたというのはやはり時代の空気?のなせるワザだったんだろうか。
お笑い三人組』はとにかく面白かったという記憶がある。江戸家猫八一竜斎貞鳳三遊亭小金馬の主演3人は本業(動物物真似・講談・落語)では全然見たことなかったのにこの番組で強烈に印象あった。音羽美子(右から2人目・演出担当久米昭二の娘らしい)・桜京美(左端・のちに早世した)・楠トシエ(中央・当時を代表するコメディエンヌ)の女性3人は時期によって「三人組」の妻・恋人・妹など役柄が変化していたとのこと。これまた今見るとストーリーも笑いのツボもさほど大したものじゃないようなのにそれでも夢中になれてたのは、決して安易な楽屋オチなどに走らない常に間断ない掛け合いの連続が醸す一種の痛快さ?がポイントになってたからかも。末尾に後年収録の主役3人への合同インタビューが入ってるのが貴重。それによるとやはり生放送でしかも客を入れてのステージ収録だったが、「アドリブは一切なく常に台本どおりきちんとやってた」(猫八談)というのはさもありなん。
夢であいましょう』はこの3本の中では一番有名だろうが、残念ながらリアルタイムでは一度も見たことがない。NHKだからやっていなかったってことはないと思うので、そもそもそういう番組があることを知らなかった可能性が一番高い。音楽ありコントありトークありのまさに往年のバラエティ番組のプロトタイプなところは『シャボン玉ホリデー』(これも見たことない超有名番組)と双璧だろうが、基本はやはり音楽の部分にありそうだ。↑上の写真はいわずと知れた黒柳徹子と中村八大。中村は永六輔とコンビで数々のヒットを生み、その永は台本・作詞・出演の3役やってた。注目すべきは立川談志・丸山(美輪)明宏・渥美清フランキー堺ら後年の超大物がバリバリでコント頑張ってるところ。とくに当時の談志は司会にコントにとテレビ界の超売れっ子でしかもノリが軽くて、後年ストイックに古典落語道に邁進したり毒舌で鳴らしたりなんてことになるとは思いもよらなかった(そもそも落語家だなんて知らなかった)。あと「こんにちは赤ちゃん」がレコード大賞とった直後収録の回で、まだ姐御キャラになる前の梓みちよが出演者全員に囲まれ感涙して唄う姿か印象的。
このシリーズでは他に『ジェスチャー』『事件記者』『赤穂浪士』などを気が向いたら手に入れて見てみたい。(↓AmazonのはDVD版)
NHK想い出倶楽部~昭和30年代の番組より~(4)夢であいましょう [DVD] NHK想い出倶楽部~昭和30年代の番組より~(5)お笑い三人組 [DVD] NHK想い出倶楽部~昭和30年代の番組より~(2)私の秘密 [DVD]