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京極夏彦『百鬼夜行 陰・陽』

『NIGHT LAND』と同じ日に届いた京極夏彦百鬼夜行 陰』と同『陽』(文藝春秋)。

でもなんでこんな本がおいらのところに? もう推協にも入っていないのに。いや最初は京極氏ご自身が何がしかのお気遣いで贈ってくれたのかと思ってちょっと焦ったんだが、見てみたらそうじゃなくて贈り主は版元・文春さんの編集部だった… つまりいわゆる請御高評用の献本なわけで、どこの馬の骨とも知れないおいらのところに送られてくるぐらいだから相当広範に送られてる大盤振る舞いではあるんだろう。だから自慢げに紹介してもしょうがないんだが、でも分不相応に贈ってもらったればこそ採りあげて少しは報いになりたいと… (献本は採りあげないという考えの人もいるようだが個人的には間違ってると思う、人それぞれだから別にいいんだが)
というわけでこの2巻本は嘗て講談社(ノベルス〜文庫)で出た(というか今も出ている)『百鬼夜行 陰』のあとを受ける『陽』の新作が揃ったため、この際『陰』も併せて新版として刊行したもの、ということのようだ。但し今回版元が文春に移ってるのは『陽』収録作のほとんどが『オール讀物』誌初出なためだろう。というか同誌に不定期連載され始めた時点で版元が替わることがほぼ確定してたはずなわけで、講談社の心中や如何にというところか。といってもこの著者が同社のお抱え作家みたいじゃなくなってから既に久しいから今更どうってことないのかもしれないが。なお各巻末に著者自ら描く収録各篇当該妖怪の絵「百鬼図」が載っている。
とにかくこれは思わぬ嬉しい春の椿事。文藝春秋さんありがとうございました!
定本 百鬼夜行 陽 定本 百鬼夜行 陰

余談だが京極夏彦さんには某小淵沢でご挨拶して以来年賀状をやりとりしていただいているので、ひょっとしてご本人が?と一瞬胸を弾ませたのはそのせいでもあったんだが…






































































































































































































































































































献本絡みでこの機会にもうひとつ敢えて書いておきたい個人的エピソードがある。先年某拙訳書の解説協力者(つまり解説を担当してくれた人に協力してくれた人)にお礼の意味で1冊献呈したんだが、そしたらちょっと──というかかなり驚くことがあった。献本したらいちいちお礼の言葉が欲しいなんてことはもともと全然思っていないし自分自身貰ったままついやり過ごしてしまうことがよくあるから偉そうにはまるで言えないんだが… その人は当方には何も言ってこない代わりに、ネット上での人との会話の中で「○○社から○○の本が送られてきて…」といったことを書いていた。そのときそれがやや気になったのは、どうもその調子からして、自分への献本が訳者からの〈寸志〉であることに全然気づいていないふうだったからだ。でもまだ相当若い人だしプロの業界人というわけでもないようだからそれだけならまあしょうがないといって過ごせるところだ(とはいえ当然ながら「訳者献呈」の票が入ってるはずだから中学生でもちょっと気が利く子なら判る程度のことだよななどとも思わないでもない)が、その後小生のこのブログにその人自身のブログからトラックバックがあったので、何だろうと思って見てみたら、第三者のある本について小生が日記に書いた記述に対して、批判というか難癖めいたことをその人の日記で述べていたのだ、ご丁寧にリンクを貼って。これは一体どういうことなんだろうと呆気にとられた。別にリンクするのにいちいち断われなんて決して言わないが、それにしても… 全く未知の人が勝手にリンクして批判や自論の素材にするのならまだ全然理解できるし、それどころかどこかの掲示板で匿名の人たちに「このバカこんなこと書いてるぜ」とか揶揄の対象にされることすら全然ありうるし覚悟しておくべきことと思っているが、しかし、自由に悪口言い合えるほど昵懇ではなく、といって全く知らないわけでもない〈中途半端に知っている人〉が無断で自分のブログを難癖の材料にするなんてことって… 到底信じられず目を疑い、「おいらこの人に何か悪いことでもしたんだろうか?」と思ったほどだった。それでなんだか怖くなったので、このブログの当該エントリを即刻削除した。だがその人はそのときのみにはとどまらず、「ラム○○だの何だの…」とか「タイ○○・ク○○より他のを出せばいいのに…」とか、どう見ても当方の仕事を快く思っていないとしか考えられないことを折に触れ平気で発言してるのが目についた。「だの」って何だよ「だの」って?… 思えばその人とはそれ以前にSNS内のコミュニティでお初の挨拶をしたときも無視されるということがあって、そのときから既に「?」という違和感を覚え始めていたのだが、それでいてコミュニティでのこちらの書き込みに対して平然とレスをつけてくることもあったので、「ああ、おいらのこと別に完無視してるわけでもないんだ、認識の片隅ぐらいに引っかかってはいるんだな」と思い直したりしていたのだった。なのに、解説に協力してもらってから俄然悪意じみたものを持たれるようになるというのは一体どういう… それこそおいらみたいなどこの馬の骨とも知れないヤツが生意気にも〈聖なる○○神話〉に手出ししてるのが気に障ったんだろうか、などとすら思ってしまう。どうやらその人は若くしてその道の権威らしいので、実際そういうこともあるかもしれない。もしそうなら、そんな怖い人に睨まれてまで手出ししてはいられないので、いずれ○○神話からは撤退するしかないかな、などとも思い始めているのだが…
削除した〈存在しないエントリ〉にその後もその人がリンクし続けているかどうかは、怖いので確かめておらず最早知りたくもなく…