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『月曜日の男』

時事的な話題じゃ全然ないが、子供の頃大好きだった(といっても記憶はごく断片的でしかないが)ドラマ『月曜日の男』の主題歌をたまたまYoutubeで見つけたので、思い立って60年代事件物ドラマ(刑事物とは限らないのでこう呼んでおく)のテーマ曲を小特集?してみる。というか当時の自分の中での(おそらく世間的にも?)その道の5大ドラマだ。
まずは件の『月曜日の男』の主題歌↓で、タイトルはドラマと同題、歌唱は水原弘(『黒い花びら』で第1回レコード大賞獲った往年の大歌手)。当時は勿論ハードボイルドなんて言葉を知るはずもなかったが、後年このドラマの雰囲気こそがそれだなと思い及んだ。主人公の推理作家J・Jこと持統院丈太郎(「持等院」という表記もあるようだがやはりこっちじゃないか?)を演じる待田京介が何ともクールでカッコよかった(コンビを組む女優は山内幸子という人だったらしいが残念ながら記憶にはない)。「推理作家」という言葉を初めて意識したのは多分このドラマだ。30分枠だが(当時のドラマはその長さのが多かった)スリラー劇の怖さとともに都会的な洒落た雰囲気が濃密に詰まってて、子供心にも強いインパクトがあった。この歌もメロディーといい水原の声といいゾクッとするようなスリリングさを醸し出してて非常に好きだ。


次は『七人の刑事』↓。オープニングの旧警視庁々舎空撮映像に被さるハミングが独特の哀愁を滲ませて、一聴忘れがたく印象的。まるで洋楽みたいだけど作曲者はたしか日本人だったんじゃないか? 唄い手の名前も昔どこかで見た気がするが… 検索したがすぐには判らなかった。7人の面子は画像中央が係長役の堀雄二で、後列左から佐藤英夫城所英夫芦田伸介菅原謙次天田俊明美川陽一郎。何といっても部長刑事役の芦田が最大のスターになり菅原がそれに続くという感じ。佐藤(東大卒)と天田は後年脇役俳優として活躍するが美川と城所はいまいち地味な印象。


次は『事件記者』↓。歌はなくテーマ曲だけだがこれまたスリル満点。バックとなるオープニング映像はたしか高速で回る輪転機だったと思う。ドラマは原作島田一男。警視庁詰めの各新聞社の記者たちの話なので、登場する記者はこの画像の面子だけでなくとても大勢で毎回違う顔ぶれがフィーチャーされてた。ヤマさんとかガンさんとかそれぞれ愛称があり、後年の刑事ドラマによくあるあだ名のルーツはこれじゃないかと思わせる。飛び抜けた大スターは出なかったが、永井智雄・原保美・滝田裕介・園井啓介・高城淳一山田吾一・近藤洋介らその後のドラマ界を支える名脇役を多数輩出。
http://www.youtube.com/watch?v=-QIx_kSOBNE


『ザ・ガードマン』↓。上の3曲と違って格段に華やかで明るさのある曲調だが、印象深さでは全く引けをとらない。とくにこの映像はオープニングの動画とあって貴重。順に紹介される配役レギュラー陣ではやはり宇津井健が最大のスターだが、神山繁も重厚な存在感でドラマ界になくてはならない名優になった。因みに宇津井と神山は現在『天地人』で共演中(前田利家千利休)。また川津祐介(銜え煙草がニクくキマってる)はこのドラマ以前から映画界で人気だったらしい。中条静夫はこの頃こそまだ地味だったが晩年に至ってコミカルな頑固親父役でブレークし主役級となった。


最後はいわずと知れた『キイハンター』の「非情のライセンス」↓。この映像はご親切にもオープニング(メロディーのみ)+エンディング(野際陽子の歌唱)+次回予告という構成になってる。レギュラー役者はこれまたいわずもがなのスター揃いだが、大川栄子のみこのドラマ以外での目立った活躍がなく残念。仲谷昇はたまにしか出ないんだけどその「たまに」ってのがカッコよかったという妙な印象がある(『大江戸捜査網』の中村竹弥=内藤勘解由に共通する?)。


以上5大名作のうち上の3作(『月曜日』『七人』『事件』)がスタジオドラマで、後者2作(『ガード』『キイ』)はテレビ映画。また『事件』以外の4作はいずれもTBSで、しかもそのうち『月曜日』以外の3作は驚異的な高視聴率を誇っていたとのこと(といっても『月曜日』も決して低くはなかったはずだが)。このブログでは近頃矢鱈と「TBSの凋落」などとばかり書いてるが、こうやって子供の頃からずっと楽しませてもらってることを思えば、是非とも再び活き返ってほしいと願わずにはいられない。因みに唯一のNHK作である『事件記者』も常時30~40%というオバケ番組だったらしい。



ついでにここ→http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20070327http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20080410 で採りあげた『若い季節』の主題歌も見つけたのであげとく。まずは超貴重なリハーサル映像とともに↓。菅原謙次ジェリー藤尾淡路恵子松村達雄石浜朗渥美清(!)など懐かしい顔が見えて感涙物。ラストで花を活けてる女子3人は名前ちょっと不明。

も1つついでに同じ曲のフルバージョンも↓。