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越後ホラー?4題

クリスマスってことで一応ケーキと貰い物のコンビニおでん。仏壇にあげたりとか。






…という前フリとは何の関係もないが、山岸真さんからの情報で知った新潟出身作家櫛木理宇ホーンテッド・キャンパス』読んだ。学園モノって基本苦手なんだが、いや意外と楽しく読めた。連作風になってるからそれこそ心霊探偵事件簿モノとしていいんじゃない。純文学でも賞とってるらしいので書き分けとかちょっと気になる。ただ折角地元大学舞台っぽいんだからうまい棒(よく知らん)とかだけじゃなくもっと判るそっちネタ一杯出してほしかった。
新潟ネタの少なさつながりで(無理やりだが)いえば最近の全国取材系出版物で新潟だけスルーされる傾向が著しいのが疑問なんだが、新刊の『廃道をゆく4』だけは違った。

廃道現地取材40件余りの中で新潟5件だから立派なもの。中でも長岡の旧山古志村東竹沢旧道(国道291)と見附市栃窪隧道は個人的に身近。とくに竹沢付近は中越地震前1度行ってるだけに実感が伴う。栃窪隧道も蝙蝠の巣窟になってるってのが刺激的。
ところで『ホーンテッド…』はホラー大賞読者賞とのことだが、以前同賞長篇賞とったやはり県出身新人三田村志郎『嘘神』も前に読んでて、サバイバル系&謎解き風味で結構面白かった、巷では随分不評みたいだが。三田村という筆名はきっと三田村邦彦から来てるよなと越後人はつい思う、『ホーンテッド…』にも三田村って人物出てたし。
ただやはり彼ら貴重な越後系作家たちには折角なんだから出来れば地元ネタ書いてほしい。別県作家に『山妣』(坂東真砂子)のような傑作を書かれてしまうというのはやはりちょっと悔しさがあるから。





ところで何事でもスルーされ易い新潟と書いたが、意外にもこんなのがある、「越後妻有ふるさと怪談」。
http://www.echigo-tsumari.jp/calendar/event_20130126_27_002
雑誌『幽』(東雅夫さん)のツイッターで知った。よくぞ越後でも企画を!とまず思った、全国回ってるというのは知ってたけどこれもウチだけはスルーされるんじゃねなんて気がしてたから。でもよりによってなんで大雪のこの時期に? と思ったらどうもやはりイベント源が違うらしい。例の大地の芸術祭の里が便乗企画したみたいなことなのかな。

にしても↑上の告知、「『幽』編集長の東雅夫はじめ…」って、「さん」は付けないとまずいだろ「さん」は。あとなんか『幽』と『怪』を間違えてたなんて訂正&お詫びもどこかで見かけたが… それだけは間違えちゃいかんだろそれだけは。どうもそこらへんにも越後人のドンくささ──というかそれこそ「コワいもの知らず」ぶり?が出てるような… ってことで東さんゴメンな。
でおいらもそりゃ行ってみたい気はするが、いないんだよな地元に残念ながら。ていうか来る人は当然みんな他所からわざわざ来るわけだろうけど、この時期ってのがやはりな。とにかく雪パネえからね。それこそそっちのほうがコワかったりして?





で怪談、とはちょっと違うが怪獣が越後に来るらしい。
http://www.niigata-nippo.co.jp/albirex/baseball/20121211016334.html

そうギャオス内藤(登録名)の新潟アルビレックスBC監督就任。高津前監督の大成功例があるからギャオスさんもあわよくば…なんて思いがあるかもしれないが、そう甘くはないだろうな、おいらごときがいうまでもないが。まあ越後人はPR下手だからとりあえずの客寄せには持って来いだろう。





























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遊びをせんとや生れけむ

大河『平清盛』最終回、壇ノ浦から義経討ちまでという駆け足ぶりはさておき、面白かったのは清盛が死の直前西行のもとに生霊となって現われ、そのまま死霊となって西行にとり憑りつき頼朝のもとに現われるってところ。この死に際しての霊体験(というのも妙か、死自体がある種の霊体験かもしれないから)で大河で真っ先に思い出すのが『天地人』で本能寺の信長の前に既に故人である謙信が現われるシーンだ。あと何といっても『毛利元就』最終回で死にゆく元就が大勢の亡き登場人物たちと会うのが凄かった──はずだが残念ながらそっちはよく憶えてない。死霊が多すぎて?印象が分散しちまったせいかも。ところで駆け足は別にいいんだが、願わくは最後に後白河法皇と徳子の邂逅を是非やってほしかったな、というのは『新・平家物語』でそれやってたのが印象に残ってるから(滝沢修鳳八千代)。とくに松田翔太後白河院はあの泣き笑いといい今大河で随一の傑出キャラだったから最後もっと活かしてほしかった。




だが今日のヒロインはやはり同日に2つ最終回を迎えた深田恭子(もう1つは『TOKYOエアポート』)。こういうケースは珍しいだろう。『エアポート』のほうのお話自体のしょーもなさは快哉を叫ぶほどで(褒めてる)、それだけに深田・瀬戸朝香佐々木希野波麻帆(※デキ婚)らを雑念に邪魔されず見られるいいドラマだった。
余談だが深田といえば個人的最高作は何といっても『富豪刑事』シリーズ。因みに『ヤッターマン』は退屈で寝た。

でも容貌がシュッとしすぎてるからな今は↓。ああいうぶっとびキャラはもう難しいかも。ボトックスも良し悪し?





























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米倉涼子『熱い空気』

米倉涼子『熱い空気』。
http://www.tv-asahi.co.jp/atsuikuuki/

段田安則高岡早紀は米倉との相性買われたんだな『ドクターX』『肩ごしの恋人』。ただドラマとしては米倉のコスプレ以外は見所が少なくて、先週の田村正和のやつのほうが面白かった。いやもちろんこっちとしては基本米倉のコスプレ見れりゃあとはどうでもいいんではあるが。でも視聴率は多分20を越えてくるだろう、田村ので18だったから。




























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長岡3題

久しぶりにアオーレ長岡。クリスマス前ってことで巨大シャンデリア?──じゃなくて「アオルミネーション」とかいうものらしい──がさがってた。
http://www.ao-re.jp/event/3658

アリーナでは明日土曜からbjリーグのバスケットやるみたい。http://www.ao-re.jp/event/3541

実はうちから全路自転車で行った、しかも折りたたみ式ので。そんなこと夏でも1度もやったことなかったのに、この雪道で初めてやることになるとは自分でも思わなかった。というのは最初はバス停までのつもりだったが時間が合わず、じゃ北長岡駅まで行って信越本線に乗ろうか、と思ったがそれも間に合わずで、やむなく。と思ったら意外と快適だった。但し当然防寒装備は完璧で、且つ全路裏道。つまり車の往来が少しでも少ないルートを行くってのがポイント。といっても今日のように雪も雨も降らず且つ比較的暖かい、と条件が揃ってないとこの時期は難しいだろう。もうちょっとでも積雪が多かったら無理だった。






親類から貰った江口だんごの縄文古代餅。

これなかなか旨いわ、右の赤い包みの胡桃入りのがとくに。いや別にステマじゃないよ。
ところでなぜこんな形の菓子を作ることになったかは、長岡歴史博物館の常連客?なら自然と察しがつくはず。つーかおいらあそこのヘビーリピーターだったからね。






ゆめのかよいじ」T・ジョイ長岡では今日で打ち止めだったらしい。結局見ずに終わってしまい残念。まさか東京じゃ上映しないだろうしソフト化も望み薄だし…うーむ。http://yumenokayoiji.jp/





























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逆襲?

これは妙だと誰もが思うだろう。12/20(木)『日刊スポーツ』一面トップに小林幸子

そしてやはり20日前後から書店店頭に置かれ始めた『アサヒ芸能』12/27クリスマス特大号でのテリー伊藤対談・ゲスト小林幸子

そしてやはり20日の『ダウンタウンDXDX年末SP』での目玉ゲスト小林幸子http://dogatch.jp/news/ntv/12944

偶然にしてはあまりに不自然なこの突然の集中的「表舞台」登場。しかもいずれの「舞台」でも問題の「騒動」を「前向きな宣伝材料」として使ってきてる。つい先日まではありえなかったことだ。だが実のところは当然ながらこれが「突然」であるはずもない。テレビも雑誌も新聞も「ナマ」でその当日に出てきてるわけじゃないのだから。つまりこれはしばらく前に「某勢力」と何らかの「手打ち」があり、大晦日まであと2週間を切ったこの「12/20」という時点にこれ見よがしに照準を合わせてきたのだ。ということはひょっとすると手打ちというよりもむしろ某勢力が180度方針転換し、小林の「側についた」ことを意味してはいないか?──何がしかの理由により。それを裏づけるかのように、時を同じくして出る女性誌の記事も今までの「今すぐ首を吊れ!」といわんばかりの糾弾とコキオロシの論調から一転、「営業回りで客に励まされた」とか「インディーズCD好調」などむず痒いほど好意的なものに変わってきてるようだ。一体何があったのか。「何か」があったことだけは間違いない。






一方でついこの前全芸能マスコミが大応援団と化し、「シャブで捕まったお陰でノーベル賞国民栄誉賞でもとったのか?」と思うほど華やかな大絶賛記事(といっても舞台復帰の記者会見やったってだけなんだが)を書いてもらった酒井法子、いざ蓋を開けてみたら(じゃない幕があがってみたらか)案の定学芸会以下の見るに耐えないしろものだったらしい。

しかも姉の芸能活動再開の直後に、それをわざと邪魔してるとしか思えない実弟の逮捕騒動。
http://news.nifty.com/cs/entame/showbizddetail/rl-20121219-14408/1.htm
これじゃ一体何のために大金使って全マスコミ動員して芸能界復帰を宣伝してやったのかってことになってしまう。


というわけで某勢力もあれやこれやでさぞ頭が痛かろうというお粗末…





























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荒木一郎「ジャニスを聴きながら」

悪魔のようなあいつ』見てる。いやー面白い! 面白すぎる。やっぱ倉本聰山田太一は嫌いだが久世光彦はいい。といっても世間的な意味でのストーリーがいいとか演出がいいとかそんな意味じゃ全然ないよ。そんなことには全く何の興味もない。一片の関心もない。
ワンシーンワンシーンがもう凄いね。目ぇ瞠りっ放し。何が凄いって、とにかく全てが「徹底的にテレビドラマ」であるってところ。そうこれはどこまでも「テレビドラマ」でなければならなかった作品だ。これがもし映画だったらおいらは全然どうでもいい。ハナも引っかけない。これは「テレビ」であるところに意味の全てがある。久世はそれを完全に理解してた。その意味で堤幸彦はおそらく久世に大きな影響を受けてる。
…なんてこともほんとはどうでもよくて、まずとにかくキャスティングからして凄い。デイヴ・平尾(=表記はこのドラマでのクレジットによる)がぴったりすぎる役でびっくりした。若山富三郎頑張りすぎだなあの長台詞。安田(大楠)道代いいね『ツィゴイネルワイゼン』より大分前だから当然若いし。ディック・ミネいいところで出てくる。
だが誰よりもやはり荒木一郎のいい味出しっぷりがもう抱腹モノ。
↓手前沢田研二、後方荒木一郎


でその荒木一郎といえば子供の頃見た実母加藤治子との共演ドラマ(トイレの蓋を作る会社社長のドラ息子役)で唄った「トイレフタの歌(?)」(多分自作)からもう忘れがたいが、一番好きなのはあおい輝彦に提供した「ジャニスを聴きながら」。
↓これこれ、もう大好きで今でも全部諳んじられる。今度絶対カラオケで唄う。

テレビで「ジャニスというのはジョプリンかイアンか」という質問にあおいが「聴く人によってどっちでも」みたいなこと答えてたのを憶えてる。


ところが知らなかったがこの曲なんと荒木自身が先唄っててそれをあおいがカバーしたってことらしい。
↓これが荒木自身のバージョン。今回初めて聴いた。

詞が若干違ってる。アタマの「ロードレース」(=あおいバージョン)が「コカコーラ」に変わってるし「ぼく」が「おれ」になってる。


ついでだからデイヴ・平尾もあげとく。
↓GS時から大分後年のライブだが、ザ・ゴールデン・カップス本牧ブルース」。これも大好きな曲。(鹿内孝の同名曲とは別の曲)

↑勿論ボーカルが平尾だが、なんと08年に亡くなってた、残念。
ついでに敢えて買いとくと、検索途中で「ゴールデン・カップスはGSじゃない、骨太のロックバンドだった」なんて聞いたふうなこと書いてるブログを見かけたが、カップスは立派なGS以外の何物でもなく、ロックバンドとかいうくだらないものとは全く無縁だった。なぜならそもそも当時「ロックバンド」とかいうくだらないものは日本に1つも存在していなかったのだから。





























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『NIGHT LAND』4号

『NIGHT LAND』4号が届き、通読す。

特集は〈オカルト探偵=闇を狩る者たち〉で4篇の未訳実作品を掲載。ジョー・R・ランズデール「凶兆の空」(友成純一訳)は〈二挺拳銃の牧師メルセル〉登場の本格怪物ホラー。「ミッドナイト・ホラーショウ」や「キャデラック砂漠の奥地にて、死者たちと戯るの記」等に見られる〈ハード・ホラー作家としてのランズさん〉と再会できる快作で、友成氏のノッてる訳も相性ピッタリ。ロン・シフレット「ミイラ捜索」(金子浩訳)は2号「ピックマンの遺作」に続く〈アーカムの私立探偵カーニー〉物で、今回も名調子なハードボイルド・ホラー。ロバート・E・ハワード墓所の怪事件」(中村融訳)はお馴染みハワード発掘シリーズの1篇で、特集に合った怪奇探偵趣味横溢作。ウィリアム・ミークル「慈悲の尼僧」(拙訳)はホジスン〈幽霊狩人カーナッキ〉再登場作。U草本誌編集長の紹介で知ったこのミークルという作家の本篇収録作品集を自分でも取り寄せてみたが、パロディやオマージュの域を超えた本格後継者ぶりに驚かされた。エッセイでは北原尚彦「怪奇探偵シャーロック・ホームズコナン・ドイルの怪奇趣味」がホームズ&ドイルの怪奇志向の側面を余すところなく紹介(個人的には中坊の頃あかね書房版『バスカービルの魔の犬』読んだときの鮮烈な記憶が蘇った)。連載物でも立原透耶「Asian Horror Now」が「中華圏の秘密組織と妖怪ハンターたち」と銘打ってかの国での怪奇探偵物人気を紹介。あちらでも『X-ファイル』や日本の陰陽師物の影響が実は結構強いようだ。「リレーエッセイ・私の偏愛する三つの怪奇幻想小説」は芦辺拓氏の登板で、「探偵たちは怪奇な夢を見る」と題して怪奇探偵漫画を紹介、そちらにも造詣が深いことに目を瞠らされる。また朝松健『The Faceless City』(4回)も当然ながら怪奇探偵趣味に満ち満ちている。今回は「鰓のある街」、神野十三郎「時空の歪みにより近まった」インスマウスへとバイクを駆る。…
他には書き下ろし短篇・間瀬純子「オーロラの海の満ち干」がまさに目眩く想像力を発散させた幻視幻想小説でびっくり。高野文緒のエッセイ「パリの深い闇とブルターニュの遠い微光─『オペラ座の怪人』に宿る不等のコントラスト」はかの怪人にも勝るオペラ座ことガルニエ宮自体の怪しさを解説。ラリー・ニーヴンのパロディ・ショートショート「最後の『ネクロノミコン』」(森瀬繚訳)は異色の学生紛争クトゥルー?で訳者解説がいつもながらマニアック。朱鷺田祐介「黄金の蜂蜜酒を飲みながら─クトゥルフ神話とゲームの周辺」は今回はゲームよりイベントや出版物の紹介が多く参考になる。そうだ噂の菊地秀行『邪神金融道』まだ買ってなかった。鷲巣義明「ファンタスティック・シネマ通信」は注目作『トールマン』のパスカル・ロジェ監督にインタビュー。笹川吉晴「Night Library」は尾之上浩司『クトゥルフ神話への招待』ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』ブラッティ『ディミター』他をレビュー。マット・カーペンター「クトゥルー・インフォメーション」は「おとぎの国のクトゥルー」として子供向け神話物を紹介。
なお巻末「Topic」によると本誌表紙絵のダニエーレ・セッラ画伯が英国幻想文学大賞アーティスト部門を受賞したそうで(おめでとうございます)、その記念か今回は表紙原画のオリジナル絵葉書セットを同送していただいた、ありがとうございます。これがまた素晴らしいので一緒に撮ってみた↑(上写真)、表紙の文字が小さくて見づらくなってしまったが。またセッラ氏のみならず末弥純高橋葉介・ひらいたかこ・建石修志他今号も挿画陣の豪華さが凄い。








ところで笹川吉晴氏が書評冒頭で「世にクトゥルーの種は尽きまじ」と書いているように近年のクトゥルー熱がいまだ各分野で冷めやらないのはまこと慶賀。が個人的には… ここまで来るとやっぱおいらみたいな誤訳超訳だらけのクトゥルー・シロート(略してクトシロ)はそろそろいいかなって気分がいよいよ強くなってきた。あとはおエラい碩学の大先生方におまかせして、ワキから楽しませてもらう側に回ってたほうが世のため人のためってものでせう。イヤまじで。そうそれが分相応ってもの。イヤ窓で窓で。…





























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